2019年1月から2020年1月にかけての1年間のSSから、37編を自選したこの自選集、すなわち、半分以上が再録である。
再録集を出すには早いし未熟なのだが、せっかく1年書き続けられたのだから、という自分へのご褒美の意を込めて作ってみた。そういう訳で、以下、作品解説と言いつつ、あまり解説はしていない。特に、既刊に収録したものは解説を省く傾向。
飴と恋(ペーパーSS)
10月のイベントで無配にする予定だったペーパーに載せたSS。『あめだまあつめ』の一番最初と一番最後の話、の前日譚。せっかくなので今回の自選集も、『あめだまあつめ』と同じような作りにしようと思い、どうせなら記念すべき1冊目と関連のある話にしようと考え、これを載せた。これがあったから、一番最後の『飴の代わりに』を思いついたとも言える。
鉄の色(あめだまあつめ)
終わりの辺りを変えた。やはり、書いてから1年経っているので、文章をどう終わらせるかという手法も結構変わっている。この話については、1年経ってようやく良い終わり方が思いついたような気分。
恋するきみは美しい(こいぶみつづり)
あまり変わっていない。書いた当時、とにかく景色の美しさ、情景を表現したいと考えながら書いていた記憶がある。
甘い話(新)
基本的に、審神者に明らかに好意的な膝丸ばかり書いているので、たまには塩対応の個体を書こうと考えて書いたはず。結果はこの通りです。
不機嫌なものたち(こいぶみつづり)
どうしたって嫉妬深い膝丸になってしまう好例。
見知らぬひと(新)
オールバックの膝丸が見たくないですか。私は見たいし浴びるように摂取したい。
ラムネの顔(あめだまあつめ)
何がという訳ではないが、印象深い。自分の書く膝丸の方向性がこれでちょっと定まった感がある。
翡翠の男(あめだまあつめ)
お気に入り。これ、膝丸に落ちて一年経たないうちに書いた話なので、初出は2017年。信じられない。
膝さにを本格的に書き始めたのは2019年1月からなのだが、膝丸を好きになったのは2016年の秋であり、それから半年くらいの間、誰に見せるでもなく書いていた膝さにSSがいくらかある。その中のひとつがこれ。ちなみに、『あめだまあつめ』収録の「冬の朝」が、初めて書いた膝さにだった。懐かしい。
琥珀の瞳(あめだまあつめ)
上の続き。翡翠の男は2017年、琥珀の瞳は2019年と時間差があるのだが、書く時は意外とすらすら書けたような気がする。
皐月の風と熱(あめだまあつめ)
爽やかめの話を入れようと思ってセレクト。爽やか、なのだろうか。いやきっと爽やかだ。
悋気の温度(こいぶみつづり)
まーた膝丸を嫉妬させてるー。
新人審神者あるある(こいぶみつづり)
地味に気に入っている。この兄者は確信犯。
手櫛(新)
こう、なんというか、好意を隠さないというか、欲に正直な感じの話を書きたかったのだと思う。多分。
祈りと呪い(新)
気に入っている話なのだが、短編にしたくてわざと『こいぶみつづり』に収録しなかった話。だが、結果として、短編が上手く書き上がらなかったので、自選集に収録と相成った。短編、書き上げたいなあ。
猫が飼いたい(新)
「審神者が猫を飼いたがる」「膝丸がにゃあと鳴く」という、フォロワーさんと奇跡的にネタが被った話。フォロワーさんから背中を押していただいて書き上げた。その節は大変お世話になりました。
ネタは同じなのに中身はまったく違ったので、書き手の個性が出た一作だったなあ、という印象。膝丸さん、にゃあって鳴いて。
ことのはの音(新)
特殊設定ネタは一度書き出すと止まらなくなるのでほどほどにしたい。これも、頑張れば短編くらいの長さにできそう。
着せ替え人形(新)
膝丸はスタイルが良いので、だいたい何でも似合いそう。個人的な好みとしては、体のラインを綺麗に見せる、ジャストサイズの服を着せたい。そういう欲望の元に書いた。
着せ替え人形の逆襲(新)
実はこっちの方を先に書いて、「着せ替え人形」が後に出来上がっている。これを書いた当初は「着せ替え人形」を書く予定はなかった。珍しく審神者に主導権を握らせていると思いきや、そんな上手い話はなかった。頑張れ審神者。
雨傘(こいぶみつづり)
話を書く上で、雨という要素がわりと好き。実際の天気としてはあまり得意ではないのだが。雨だけで多分まだまだ話が書ける。
ラムネの顔その後(新)
その癖は抜けなかったかあ、という、ちょっと生ぬるい視線が膝丸さんに注がれたそうです。
夏の午睡とそのお供(新)
審神者としても、一応、恋人に触れたいなあという欲はあるのだが、あまりの暑さに人体には触れたくない。その結果がこれである。頑張れ審神者。
隠しごと(こいぶみつづり)
ちょっと色っぽい話。主な被害者は審神者。
秘めごと(新)
上とセットにする予定はなかったのだが、話の中身がほぼ同じだったのでセットにしてみた。主な被害者は膝丸だが、これは明らかに狙ってやっている。
真っ赤な嘘(新)
たまにはシリアスでも。張った予防線が邪魔をする。これも短編にできたらなあ。
独占欲と嫉妬(新)
10月イベントの無配SSにする予定だったが没になったものをツイッターに載せたやつ。ここまで解説を書いていて、この一冊で三回も膝丸と嫉妬心を絡ませていることに気付いた。気付いてしまった。
据え膳(新)
翌日の膝丸の目の下には立派な隈ができていたそうな。
けものの餌食(あめだまあつめ)
こんな話も書いたなあ、という気分でセレクトしてみた。美味しく食べるための下準備を欠かさない男。
八つ当たり(こいぶみつづり)
あの腰をガッと掴みたいという欲望のままに書いた。
あなたの色がほしかった(あめだまあつめ)
可愛い話を入れようと思ってセレクト。当社比ではだいぶ可愛い話だと思うのだが、いかがだろうか。
呼ばれたような気がしたので(新)
手を叩くと寄ってくる刀剣男士 とは
絵空事の夜(あめだまあつめ)
ちょっと色っぽいと思わせておいて最後に落とすスタイル。最後の数行で話のイメージや展開を覆すものが好きです。上手く書けないけど。
こたつと説得(新)
だいぶ審神者のあしらいに慣れてきた個体。膝丸の成長的なものも感じてもらえたらなあ、と考え、あえて後半に置いてみた。
わたしの色彩(あめだまあつめ)
ひたすら膝丸の外見を褒め称えたくなって書いたはず。春色の男なのに、どこか冬っぽいんだよなあ。
天国の在処(新)
ひとつくらいバッドエンドを入れても良いのではないかと思ったので入れてみた。審神者を辞す日の話。誰も、己の主が地獄に落ちるとは信じていない。
月夜にヒールとエスコート(あめだまあつめ)
なんとなく、印象深いので入れてみた。何も始まらないし終わりもしない、展開のない話ではあるが、優しさはあると思っている。
夢一夜(10月新刊BOOST用折本)
元はツイッターに載せていた話だが、10月新刊の頒布の際、BOOSTしてくださった方やイベントで取り置きしてくださった方向けに配布した折本に収録したバージョン。を、さらに手直しした。
飴の代わりに(新)
ある意味ではこの本のために書かれた話。書くのに相当苦労したが、それはそれとして。
『あめだまあつめ』のだいたい一年後の発刊なので、この話も、『あめだまあつめ』のあのふたりの、大体一年後の話である。
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