『こいぶみつづり』作品解説

特に何の参考にならない解説、というより独り言。


「恋文の作法」

「求愛の作法」

前回の『あめだまあつめ』と同じように、最初の話と最後の話が繋がるようにしてみた。

とある方に、『あめだまあつめ』で一度も好きだ、愛している、という告白めいた言葉を交わし合っていないということを教えていただいて(私自身気付いていなかった)、なら告白シーンを書こうと思って「求愛の作法」を書いた。書いたのだが……告白直前で終わっている……。


「春と猫」

膝さにゃーん。

書いている自分が猫好きなので、ついつい膝さにと猫を絡めてしまう。


「首輪」

一言も表してはいないけれど、動作に表れる独占欲。そういうのが好きです。


「新人審神者あるある」

こういうこと、あり得ると思っているのだがどうだろう。兄弟というと粟田口のイメージが強いので、髭切が先に顕現したらこんなことが起こるのではないだろうか。短刀の膝丸、脇差の膝丸……。


「よろこびに降る」

ぼんやりと、この敬語を使う審神者と膝丸は「翡翠の男」「琥珀の瞳」のような、そんなイメージを持っている。時系列的には、「琥珀の瞳」の数年後くらい、熟年夫婦の雰囲気。


「恋するきみは美しい」

色眼鏡、という言葉があるが、恋とはそういうものなのかもしれない。春は恋をするにはちょうど良い季節。

膝丸視点で書く話は、出来るだけ文体が硬くなるように心がけている。が、この話はそうでもないかもしれない。


「酔っ払いと戯れ言」

ツイートから派生した話。酔っ払いの気ままさに振り回される太刀。酔っ払いネタも良く書いてしまう。


「心臓に悪い男」

最初は善意百パーセントでやっていたのだと思う。こういうことは回を増すごとに遠慮がなくなっていくし、もしかしたら善意ではなくなっていくのかもしれない。


「藪をつつけば」

これもツイートから派生した話。刀剣男士、こういうところある。なお膝丸は(前の話ではないが)善意百パーセント。


「深夜残業五日目」

肌荒れを知らない生活をしてみたいものである。

それはそれとして、好きな人のために努力する人は本当に魅力的だと思う。この男は、自分がそういう努力されるだけ愛されているのだと知った時、おそらく果てしない優越感を抱いただろうなあ、などと。


「一から千まで」

上記の話の続き。なんとか深夜残業の日々から逃れられたらしいが、膝丸の報復からは逃れられなかった。イチャイチャしやがって……。


「見栄と強情」

上の話と似たような感じ。好きな人には綺麗なところを見せたいという見栄と、どんな姿であっても好きな人を見たいという強情。


「餌付け」

審神者に対して無警戒過ぎる膝丸を書きたかった。なんとなく、外来語はひらがなで言わせたくなってしまう。


「押せ押せ」

こんなことされたら、誰だって本に集中できなくなると思う。それでも平然を装いたかったのだが、失敗した模様。


「悋気の温度」

彼シャツネタを書きたかったはずなのに、どうしてこうなった。気を抜くと膝丸を嫉妬深く書いてしまう。完全に手癖。


「寂しい日」

唯一無二の兄との離別を味わったからこそ知っていることがあるのでは、という発想から生まれた話。膝さにというより、膝丸+審神者の話。

刀ミュつはもので、岩融と今剣に寄り添う姿が印象深く、そのイメージもまたこの話の要素に加わっている。


「悪戯」

前髪パッチン。刀剣男士、前髪長い刀剣男士が多いから、こういうの必要なのではないだろうか。青江も膝丸も、多分、花の飾りは似合っていない。だがそこがいい。


「真昼の秘め事」

特二の姿でご想像ください。ちょっとアダルティな雰囲気を書きたかった。あの腰の紐、解きたいんだよなあ。


「黒、白、黒」

全然話が違うけれど、無印○品の袴パンツが膝丸の概念過ぎてちょっと欲しかった。

服の形状はともかく、白シャツ、黒ジャケット、黒プリーツの要素って揃えやすいので、割と簡単にお揃いができそう。


「空知らぬ雨が降る」

『日本語使いさばき辞典』をぱらぱらめくっていたら「空知らぬ雨」という単語を見つけて、思いついた話。涙という単語の言い換え表現なのだが、非常に、想像力を掻き立てられる語だと思う。


「夏のはじめの緑には」

書いている日が多分暑かったのだと思う。こういうちょっと甘酸っぱい話、定期的に書いてしまう。


「雨傘」

書いている日が多分雨だったのだと思う。

刀の本能として、雨だとか水気は避けたいものなのだろうか、と常々考えている。だからか、つい、そういう設定で話を書いてしまう。


「体調不良によせて」

体の調子が悪いと、精神的にもちょっと弱いところが出てくる。審神者が甘える話。前の話と雨というシチュエーションが同じだったので、続けて配置してみた。


「醜い恋をしている」

刀剣男士と恋仲になるの、非常に難しいと思うし、人の感情はそう美しいものばかりとも限らない。片思いの話。と見せかけて……。


「叶わぬ恋をしている」

そもそも自分は人ではないし、審神者からしてみれば部下のようなものだし、と、壁がたくさんある刀剣男士側の視点。叶わない方が良い恋もある、と諦めている両片思いの話。


「隠し事」

なんでだか、膝丸に噛み癖という概念をくっつけてしまう。直接的に触れ合ってはいないけどこれもイチャイチャしている。


「ご褒美」

ご褒美が欲しい日もある。推しにたくさん褒めて欲しい。そういう願望の元に書いた。


「君のせい」

毛利を担がせたのは、単純に、髪の毛が同じ緑系統で、親子っぽく見えるんじゃないかなあと思ったため。そういう描写は入れなかったが……。


「忠犬のふり」

たまには年長者らしく振る舞った結果なので自業自得。

なお、内容としては長期留守ボイスを踏まえている。


「あなたが呪いをかけたのだ」

ちょっとメタネタ。とうらぶ二次創作における「真名を知られてはならない」という暗黙の了解に、少しばかり思うところがあって書いた。ゆえに、最初の段落の最後で「幻聴」と表現しているこれは、書き手側の意識のことを指していたり、いなかったり。

誰でも良いから名前を呼んで欲しい審神者と、兄に名前を呼んで欲しい膝丸はちょっとだけシンクロしてるんじゃないか、という発想もあった。


「だからわたしは祝うのだ」

上記の話を書いた直後、ネタが思い浮かんで急遽書き上げた話。メタネタを踏まえた上で、あえてそれに抗って禁忌を犯すという、やっぱりメタな話になった。


「手」

この話に限らず、SSを書く時についつい手の描写をしてしまう。多分、フェチズムが刺激されているんだと思う。


「不機嫌なものたち」

また膝丸を嫉妬させてしまった……。でもこういうところがありそうだと勝手に思い込んでしまっているので多分、何度でも書く。


「とある朝」

推しが着替えているところをじっと見ていたい。そういう願望が詰まっている。


「チョコレートケーキと不純」

ちょっと雰囲気違う膝丸を書きたくなった。雄みというか、そんな感じを出したかったのだが、結局いつも通りでは……?


「眠れぬ夜は」

最善と最愛はまったく違うので、こういうすれ違いが起きる。とはいえ、はしたないと言いつつも受け入れている時点で、ただの最善とも言い難い。他の話でもそうなのだが、すれ違い、片思いとみせかけて、実は向こうも同じ心を持っている、というパターン。


「八つ当たり」

唐突に八つ当たりしたくなったので書いた。膝丸の腰をがっと掴みたかった。


「崇高なる儀式」

twitter公開版から台詞が変わった印象が強い。命令形の台詞、好きなのだが、あまりに言葉が強すぎて、悩んだ結果の変更である。でもこういう強引なところを書きたかった。


「昼下がりと油断」

膝丸の解釈を考え直すために書いた記憶がある。審神者=自分の主に対して、だらしない格好は見せないと思っている。だが、気が抜けることもある。そういう話。


「つれない娘」

あと一押し! あと一押し!(書いている最中の内心のかけ声)


「蛇に林檎」

にゃーん。これは冒頭の一文がふと頭の中に浮かんできたので、その勢いのままに書いた。


「蓼食う虫ども」

odaibakoでいただいたお題から。膝丸をストーカーしていると思ったらされていた審神者の話。誰だこんなピンポイントで性癖を刺してくるお題をくれた神のようなお方は。書いていてたいへん楽しかった。

なお、ストーカー行為は犯罪です。現実では絶対止めましょう。


「甘い香り」

多分、周囲の刀剣男士はそんなに動じていない。ただ、「昨夜はお楽しみでしたね」とは思っているのではないだろうか。


「今日が君の式日であれ」

このSS集の中では一番気に入っている話。歴史修正主義者との戦いも歴史のひとつに数えられ、語り継がれていく中のワンシーン。多分、周囲の人々もみんな、審神者だった。みんな、かつて自分と共に戦ってくれたものに呼ばれ、別れの挨拶を交わし合っていたのだと思う。

tenco

ひとりごとおきば

0コメント

  • 1000 / 1000