『たまゆらかさね』解説

このたびは『たまゆらかさね』をご覧頂きありがとうございます。2020年内に書いたSSのまとめということで、古い物は書いてから一年以上前になる。怖い。おかげでどういう気分で書いたか忘れがち。怖い。

そういう訳で、毒にも薬にもならない一言集です。どうぞ。


・とある男と時計の話

書き下ろし。「おとこ」とひらがな表記にすれば良かったかもしれない。案外さらりと書けた印象。大事にするあまり使われない時計としては微妙な気分だろうが、まあ、それほど独占欲が強いということで。


・冬の足跡

風景描写に力を入れたかった一作。鼻が赤くなってる膝丸さんは可愛いと思う。


・寒雀

山鳥毛さんが審神者を「小鳥」と呼ぶと知って思い浮かんだ話。まんまるの雀は可愛い。


・寒雀は焼いて食う

「寒雀」を辞書で調べたら滋味に富んで美味しいと書いていたので、つい。美味しいらしい。ところで、加筆修正を重ねた結果、審神者の格好がツイッター掲載時に比べてよりそれっぽいものに変わりました。ベビードール的な。えっちなかっこうをしたおんなのこ。すきです。


・ねここわい

なぜ私が書く膝丸さんは猫に弱いのだろう。


・おばけこわい

なおにっかり青江は結構早い段階で主がこわがりであることに気付いた。一枚どころか数枚上手。膝丸さんはぎりぎり一枚上手、といったところ。


・今日という日のチョコレート

バレンタインデーの話。実は、本丸のみんなは万屋やら何やらでバレンタインデーの存在を知っているというオチ。毎年同じ時期に同じことをやっていればねえ。


・ある種の初夜失敗談

タイトルまんま。別段、失敗はしていないけれど、初夜の思い出深いポイントはそこだった。


・あなたは春色

膝丸さんと言えばこの色。この色と言えば春。好きな人の色を身につけるというあれ。


・絆され男と花の香り

こういう悪戯してみたいなあ、と思う。したら怒られるだろうなあ、とも思う。でも膝丸さんは怒らないと信じてる。


・不器用さん

シュークリームぐちゃあ。


・相も変わらず不器用さん

大判焼きぐちゃあ。ところで、大判焼き以外にもいろいろな呼び方があって、本当に大判焼きでいいのかちょっと悩んだ。御座候とか初めて聞いた。


・君を主と呼びたくない

強欲というか、正直というか。真名を刀剣男士に知られてはいけないというのは二次創作界隈のネタだが、もしもそうだったら、こう思う刀剣男士もいるんじゃないかなあ、などと。


・他愛のない触れ合い

痛み入る、と言う膝丸さんが書きたかった。珍しく審神者に対して優位。


・愛が重い

これは結局、膝丸さんも主と同じようなことを思ってるので、似たもの主従である。なんだかんだ上手くいくんじゃないかなあ。


・雨が通り過ぎるまで

いろんな建前がないと近寄れない。真意なんて分かってるんだけど、その一歩が踏み出せない。そういう距離感。


・五年目の梅酒の色は

梅酒の色って膝丸さんの目の色に似てるよなあと思って書いた。梅酒美味しい。そして酒に嫉妬する心の狭い男。どうして私が書く膝丸さんはこうなのか。


・出られない部屋

まあ、そういうことです。おいで、と言わせたかった。


・ひとくちどうぞ

主従というより友人のような、そんな距離感。気安いし、近い。くだらないことで喧嘩して、すぐ仲直りして、笑い合うようなふたり。


・寝苦しい夜には

肌触りの良いシーツは火照った体にちょうど良かったそうです。どちらにとっても。


・君に髪飾りを

あの長い前髪を耳に掛けたい……あわよくばヘアアクセサリーで留めたい……。そんな欲望のままに書いている。


・※暑さで頭がやられています

これ膝さにではなくさに膝では?と思いつつ収録。あの服を脱がしたい。そんな欲望のままに書いている。大体が欲望のままである。


・砂糖とミルクをめいっぱい

みんなこの飲み方をしている中でブラックを貫き通した長義さん、お疲れ様です。ところで砂糖二本とミルク一個って本当に甘い……のか……?(ブラックしか飲まない派)


・朝食と共犯

こういう、お互いの好みを把握しているふたりが好き。なおかつ、何気なく悪いことをしているのが好き。といいつつ、多分、周囲はこのふたりが苦手な物交換しあってるのを知ってて黙ってる。さっさとくっつけばいいのに、と思っている。


・不意打ち

刀剣男士と本体(と言っていいのか?)の関係って明言されていないよなあと今更思った。彼らは刃の方をどう思っているのだろう。それはそれとして、そっちを褒められて照れる男。ある意味では言葉責めを受けているとも言える。


・テディベアの日

テディベアの日に書いたやつ。主の大事な物だから、いくら憎たらしくても酷い扱いは出来ないという。頑張れ。


・上手くいかない日のホットケーキ

いつかシリーズ物にして一冊の本にしたかった……なあ……という話。作れる気がしなかったので、潔くSS集に収録した。ホットケーキって時々むしょうに食べたくなる。なお、飲み物がコーヒーではなくホットミルクなのは食べた後は寝るつもりだから。多分、その日はゆっくり眠れたことでしょう。


・似る

普通の人のようにくしゃみをするけれど、その実、普通の人間にはなり得ない。でも、誰かに似ることはある、変化することはある。ちょっとだけ寂しいような、その寂しさを埋めるような話。


・寒い夜に

当然、膝丸は勘違いしているし、審神者はそれに気付いていない。微妙にすれ違ってるけど結果オーライ。ふたりで肉まん半分こした。


・ブールドネージュに緑をまぶす

兄者はなんでも食べてくれそうなので、弟が買ってきた甘味の味見役もする。これはこれで役得だけど、と思いつつ、さっさとくっつかないかな、とか考えている、かもしれない。それにしても食べ物の話が多い。


・酩酊

普段、審神者にあまり性格や経歴を持たせずに書いているので、これは珍しいパターン。膝丸さんは諦めが悪そうだなあ、という印象の元に書かれている。狙った獲物は逃さない、的な。頑張れ審神者。


・毎朝君を待っている

ツイッターに掲載した後にちょこっと呟いたのだが、この本丸では各自が一品持ち寄って、鍋を始める前にくじ引きでグループ分けをして、そのグループのメンバーが持ち寄った食材で鍋を作る、ということをしている。この膝丸さんは過去数回、野菜だけの鍋に当たっている。なので、持ち寄る食材について真剣に悩んでいるのである。


・獣の逆襲

当初、この話の対になる話を書き下ろして、SS集の顔として最初と最後に載せようかとも思ったが、最終的に時計の話が採用された。そういう事情もあって、この話が最後から二番目にあったりする。この話がSS集の顔になったら、タイトルもまた違ったのだろう。ところで膝丸さんを獣に喩えるの、よくやるなあ。


・とあるおんなと時計の話

という訳で、SS集の顔。原題「たまゆら」。短い時間、という意で、それを重ねた結果がこのSS集である。膝丸さんには腕時計より懐中時計が似合うと思って書いた。……あの装束の、どこに入るかは不明だが。

tenco

ひとりごとおきば

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