『一頁奇談』作品解説

 このたびは『一頁奇談』を御手にとっていただき、まことにありがとうございます。

 この解説ページでは、いつも通り、本についての後書きというか解説というか、適当な話をしています。今回は特にネタバレ要素(と言っていいのか定かではない)をバンバン書いていますのでご注意ください。


 さて、この本、ぶっちゃけると、その場のノリで書いたので、ちゃんとしたバックストーリーがある訳ではない。とはいえ書いた側の責任として、この本におけるぼんやりとしたルールのような、前提となる設定のようなものはちゃんと明かしておきたい。


 この本の仕組みについて。

 基本的に、本文フォントはしっぽり明朝である。だが、いくつかのページでしっぽりアンチックを使っている。具体的には、最初と最後の注意書きページ、15ページ、27ページ、37ページの最後の一言、奥付の次のページ。

 共通するのは「忘れる」というキーワード。27ページに書いてあるとおり、「刀剣男士にとって一番辛いのは忘れられること」というのが、この本の根底にある。

 それを念頭において、アンチックのページを読んでいってもらうと、とにかく「忘れないでくれ」という主張の強さが浮き彫りになるかと思う。「忘れないでくれ」とわざわざ繰り返して主張するのは、主張したいのは、主張しなければならないのは、さて、一体誰か。


 ぼんやりとしたルール、もとい、前提となる設定について。

 今回の本はSSカード含めて1冊の本であり、すべて同じ設定の元に作られている(封筒と封蝋はどうしても使ってみたくて使ったものだから厳密にはちょっと違う……かもしれない……)。SSカードと37ページは特に関連性が強い。

 端的に言うと、「審神者になる時に交わす契約書には、審神者を辞す時にその記憶の一切を失うという事項が書かれている」のがすべての原因。それが、彼らには受け入れられなかった。だから、主張するのである。忘れるなと。


 作った設定としてはそれだけなので、前述したとおり、この本にバックストーリーは特にはないし、この本を通して何かを伝えたい訳でもない。ただ1ページで収まるちょっと怖い話を書きたかったのと、黒い紙に白いインクで印刷したかった、それがすべてです。

 けれど、たった40ページ程度で3000字もないこの1冊の本になんらかのバックストーリーを感じて頂けたのなら、それは間違いなく、読み手である貴方の中にある、既に失われた本丸の記憶です。どうか忘れないでください。


・注意書き

→これは本当に注意書きか?本に書かれた物のすべてが真実であると、一体誰が保証してくれるのか。


・7P

→後ろ姿というのがミソ。


・8P

→何故、未来の私の姿を知っているのか。何故そう断定するのか。六人の男達、とは。


・11P

→星の王子さまに似たような話あるよね。


・12P

→シンプルに「なんで????」という話にしたかった。


・13P

→鶯丸なりの何か、そういう、伝えたいことなのかもしれない。極前に書いたわりには案外、解釈が一致していると思いたい。


・16P

→見分けがつかない二振りは、けれど、確かにそこにいる。誰にも名前を呼ばれなくなっても。誰にも存在を認めてもらえなくても。確かにそこにいる。居続ける。


・19P

→シンプルに「いやなんで???????」という話にしたかった。


・20P

→そういうわけで、じゃない。


・25P

→燭台切からギャンブル好きの審神者への忠言というか提言。一応、好意で言ってくれてる。だが、こんな命懸けのギャンブルあってたまるか。


・26P

→ヒント:渡辺綱


・27P

→ツイッターに載せた怪談のうち、一番反応が大きかったやつ。我ながら一番のお気に入りでもある。ちょっと納得しちゃいませんか?


・28P

→いや弔ってやれよ。


・30P

→政府から来た長義くんが言っている設定。そういえば長義くん、この本で唯一、2回出てることになるのか。


・34P

→落とし穴を掘らない個体。


・35P

→何から何まで「えっなんで??????」の塊。


・38P

→手の平の傷と言えば。それが改竄されると言うことは、それが出来た原因が改竄されていくと言うこと。つまり、その存在が。


・39P

→おまえはだれだ?


・42P

→思い出せ、とは言わないんだね。

tenco

ひとりごとおきば

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